高北謙一郎の「物語の種」

読み物としてお楽しみいただけるブログを目指して日々更新中。

私を救った1冊の本

この本がなければ、おそらく私は今、ここにはいないであろう。

 

それは先日、小説家友だちの白井さんの朗読イベントに遊びに行った後のこと。

ワインバーで開催されたこともあり、お店で少々呑みすぎた私は、あっさり終電を逃してしまった。まだ数本残っているとはいえ、自宅のある駅に戻るのは不可能だった。

 

どこか寝る場所を探さなければ。

 

しかし近隣のホテルはどこも満室(ホントかよ?)。漫画喫茶に、とも思ったが、ふと「あぁ自分のクルマ、停めてあるんだった」と思い出した。

そう、まったくこの日のイベントとは関係なかったのだが、私は数駅離れた小さな町の駐車場にクルマを預けていたのである。そこまでならまだ電車もある。当然お酒を呑んでしまっているので運転は出来ないが、夜露を凌ぐことはできる。

 

まぁ、ちょっと寒いかもしれないが、なんとかなるだろう。

 

そう思ったのが間違いだった。しかしその時の私は「なんという名案!」と信じ込んでいた。意気揚々と最終列車に飛び乗り、終着駅手前の目的地に。コンビニでお茶とパンを買って、ほとんど真夜中のピクニック気分でさえあった。

 

が、しかし駐車場のクルマに落ち着いて数分、自分の考えが甘かったことを思い知る。

 

寒い! 寒すぎる!

 

10月の下旬。冷静に考えれば分かりきったことだ。関東とはいえ、夜は10℃前後。更には元来あつがりな私はその日、ちょと厚手のシャツ1枚という出で立ち。

 

住宅地も近くにあり、アイドリングで暖房をつけるのもはばかられる。クルマに掛け布団の代わりになるようなものが都合よくあるはずもない。私は凍えた。歯がカチカチと音を立てた。とはいえ、今さらどうすることも出来ない(酔っぱらっていて、コンビニに戻りホッカイロを買う、なんてことは思いつけない)。寝るしかないのだ。

 

後部座席に横たわると、私はひたすら寒さに震えながら眠りに就こうと奮闘した。

 

しかし、やはりどうしても寒いのである。特に左腕。体の右側を下にしていた私は、その二の腕の寒さにおののいた。眠れない。しかし眠らなければ。でも眠れない。いやしかし…と、その時…

 

「あ、そうだ! バッグの中に本がある!」

 

思い出したのだ。1冊の本を持参していたことを。私は運転席に置いてあったバッグに飛びつくと、その中の本を取り出した。

 

「新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング 唐木元 著」

 

新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング (できるビジネス)
 

 

 

いやはや、私としては随分と珍しい本を持ち歩いていたものである。しかし今はその内容はカンケーない。あと回しだ。私は再び後部座席に横たわり本を開いた。そして開いた本を、左の二の腕に、乗せた。

 

………あたたかい。

  ほんのりと、あたたかいではないかッ!

 

スバラシイ。本とは、紙とは、これほどまでにあたたかみのあるモノだったのか!

 

左腕のごく一部ではあるが、おかげで私は車中で凍死することもなく、こうしてブログを投稿できているのである。この本のおかげだ。と、信じている。

助かりました。ホント。

 

 

ハイ、そんなわけでこれを書評といってしまうのはあまりに著者に申し訳ないので念のためお伝えしておくと、内容としてもとても分かりやすいです。何しろ分かりやすく伝わりやすい文章を書くためのノウハウが書かれた本なのだから。今後、役立てたいと思います。

 

2つの意味を込めて感謝を!